だんだんと各地梅雨入り発表がされ雨の季節になってきました。
今日はそんな梅雨と瓦についての書き物です。

~トタンやスレートとは違う“癒し”のひととき~
梅雨の季節になると、家の中にいても静かに雨の気配を感じられる瞬間が増えます。そんな雨のひとときを、より風情あるものに変えてくれるのが「瓦屋根」から聞こえる雨音です。
今回は、瓦屋根の持つ“音”の魅力にフォーカスし、トタン屋根やスレート屋根との違いも交えながらご紹介します。
瓦屋根の雨音は「やわらかい」
瓦屋根の雨音は、低く、やわらかく、耳に心地よいのが特徴です。
雨粒が厚みのある陶器製の瓦に当たると、音が吸収されつつ、ほどよく響きます。この「ポトッ、ポトッ」という音は、どこか自然の中にいるような安心感を与えてくれます。
それに比べて、トタン屋根や金属屋根では「パチパチ」「カンカン」といった高くて鋭い音が反響しやすく、豪雨時にはかなり騒がしく感じることもあります。
スレート屋根との違い
スレート屋根(化粧スレート)は、金属よりは静かですが、薄いため音が響きやすく、雨の強弱に敏感です。また、建物の構造によっては天井裏の空間が狭いため、室内に雨音が直接響いてしまうことも。
一方、瓦屋根は重量と厚みがある上に、下地(したじ)や垂木(たるき)との間に空気層ができるため、音をほどよく吸収・拡散してくれます。
雨音がもたらす“癒し”効果
最近では、雨音をBGMにしてリラックスしたり、寝つきを良くしたりする 「自然音セラピー」も人気ですが、瓦屋根の雨音はまさに天然のヒーリングサウンド。
「忙しい日々の中で、ふと心を落ち着かせてくれる」
「スマホもテレビもない静かな時間が心地よい」
そんな声を、お住まいの方からよく耳にします。雨の日が待ち遠しくなる── そんな体験が、瓦屋根にはあるのです。

まとめ:暮らしの中に“音の豊かさ”を
現代の住宅は防音・断熱が進み、外の音をなるべくシャットアウトする傾向があります。しかし、自然の音を楽しむというのも、豊かな暮らしの一部です。
瓦屋根は、雨と共に生きる日本の家の知恵。
その美しさや機能性だけでなく、音の心地よさもまた、見逃せない魅力です。
梅雨の時期に、瓦屋根のある家で聞く雨音──
それはまるで、自然と静かに語り合っているようなひとときです。
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